中国の自動車市場は政府の支援策にも関わらず、消費者の呼び戻しに苦戦を強いられそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、今年1~2月の中国新車販売は記録的な落ち込みを示した。2月は前年同月比80%減、1~2月累計では前年同期比42%減少した。中国は平常運転に戻りつつあり、市況はたしかに改善するだろう。多くの人々が職場復帰し、新型コロナ禍が最初に発生した武漢でさえ移動制限が緩和された。だが常態回復までにかかる時間を考慮に入れれば、同国の新車販売は3年連続で減少する見通しだ。新型コロナ危機の初期段階に、世界の自動車メーカーは欧米工場向けの中国製部品が確保できるかと警戒していたが、今では問題が逆転した。中国工場はおおむね操業を再開したものの、同国の外からの調達への警戒感は根強い。中国の自動車部品の4分の1近くに輸入品が使われている。ジェフリーズは、欧米でのウイルス流行で供給上の制約に見舞われているメーカーが多いと指摘する。