日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛け、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続けるひろゆき氏。
早くも3万部を突破した新刊1%の努力』では、そこに至る根っこの部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

今回は、「仕事観」について詳しく迫る――

仕事へのプライドで損する人たち

僕のことを少しでも知っている人にとっては、僕はあまり働いているイメージはないかもしれない

バイトの「クソ仕事」が教えてくれたことひろゆき氏(撮影:榊智朗)

しかし、学生時代はたくさんのアルバイトをした。

ヒマすぎる時間の切り売りが主な目的だったが、それはそれで楽しむことができた。

ざっと挙げてみると、「コンビニ店員」「スーパーの総菜売り場」「ラーメン屋」「裏ビデオのチラシのポスティング」「携帯電話会社の電話応対」「塾講師」「掃除」「ピザの配達」「佐川急便」など、思い出せるだけで9つ以上のバイトをした。だいたいどれも1年くらいは続いた。

携帯会社の電話応対のバイトは印象的だった。
そこで学んだのは、「世の中には会話が成立しない人がいる」ということだ。
何人かに1人がクレーマーで、いきなり怒鳴ってくる人がいたり、こちらの言うことを理解できない人も多かった。
ランダムにいろいろな人と接する仕事は、早いうちにやっておいたほうがいいかもしれない。

この人には、こういう対応をすればいい」ということを網羅的に学ぶことができる。

そうやって楽しんで仕事をしているうちに、バイト内で出世をした。

すると、まったく社員がいない環境を手に入れることができた。ゲームボーイでポケモンをしたり、ジャンプを読みながら、「はい、それは申し訳ございません」などと真面目なことを言っていた。

世の中、案外チョロいということをそこで学んだ。
会社なんてものは、一見ちゃんとしているイメージがあるが、中に入ってみると、そんなものだ。

「世の中はチョロいし、意外とちゃんと回っていく」

そう思えるだけで、ビジネスのハードルはぐんと下がるし、企業相手でも平常心を保つことができる。

「こんなつまらない仕事できるかよ」と最初から思ってしまうようなプライドの高い人は人生で損をする。なんでも楽しめて、少しナメてかかるくらいのほうがいい。