3月3日に年金制度改正法案が閣議決定され、厚生年金の適用拡大に向け加入義務のある企業の規模がより小さくなる。現行の従業員「501人以上」が、2022年10月から「101人以上」、2024年10月からは「51人以上」となり、大企業だけが対象ではなくなるのだ。これにより「一気に壁越え」が可能になる。

 社会保険に加入するメリットも知っておきたい。まず、厚生年金に加入し自分で保険料を払うと、将来の年金額がわずかだが増える。たとえば、手取り回復分岐点を超え、社会保険に加入し年収130万円でパートを20年続けると、将来もらえる年金額は約14万円増える。

 1カ月あたりでは約1万円ちょっと。少ない金額だなと思うかもしれないが、働けなくなった将来の月1万円は、家計にとってありがたいもの。私なら「これで年金だけの収入になっても月1~2回、夫と外食できる」と考える。1万円分、節約しなくて済むという考え方もある。しかも、国の年金は終身なので、長生きするほどおトクだし、妻の長生き対策になる。

 もうひとつのメリットは、夫の扶養の範囲内では受けられなかった健康保険の給付を受けられること。病気やケガで有給休暇を使い切って給料がストップしたときに月給の3分の2相当の金額の「傷病手当金」が最長1年6カ月受け取れる。まさに「いざという時の保険」と考えるといいだろう。

夫が高収入だと配偶者控除はなくなるので注意

 2018年の税制改正で、配偶者控除を受ける要件に本人の年収も加わった。夫の年収が1120万円を超えると控除額が縮小し、1220万円超で控除額はゼロになる。

 これにより夫の年収が1220万円超の場合、大きく増税になったのだ。配偶者控除が受けられなくなり、その分手取りが減っているわけなので、妻も働いて世帯収入をアップする対策を検討する価値はある。

 妻のパート収入の一部を貯蓄すれば、老後資金を増やすことができる。その場合は、妻自身の名義で貯蓄しよう。自分名義の貯蓄が増えていくと、働くモチベーションもアップするので、一石二鳥である。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)