人生100年時代と言われる中で「老後資金は○○万円必要」「みんな○○万円貯めている」と焦り、貯蓄を目的にしていませんか?吹田朝子氏の著書『お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!』からお金を無理なく賢く有意義に使うにはどうすればいいのか、今回は夫の扶養から抜けて自営業として働くことを決めた2つの事例を取り上げ、その明暗を決めたポイントを解説します。
「夫の扶養を気にすることなく、自分の特技を生かして働き、収入も得たい」
共働き世帯が増えている今日、こう考える妻も少なくありません。
しかし、夫の扶養に入っている妻が本格的に働き始めることには、メリットもデメリットもあります。妻が夫の扶養に入っている家庭では、節税の観点から収入を扶養の範囲内に抑えるケースも少なくないでしょう(後述しますが、それは「130万円の壁」と呼ばれるものです)。妻が好きなことを仕事にして扶養を超えて働く場合、家計収入が減ってしまうのではないかという不安があるのも事実です。ややもすると、せっかく働いても老後の資産形成どころではなく、「働き損」といわれる状況もありうるのです。
そこで今回は、夫の扶養に入っていた妻が働き始めた2つの事例(失敗事例と成功事例)を紹介、その明暗を分けたポイントについて考えてみましょう(なお本事例は比較しやすいよう夫婦の年齢、家族構成を同じ設定とした)。
中途半端な事業レベルで、
130万円の壁につまずいたケース
Aさんは夫の扶養の範囲内でアルバイトをしています。仕事内容は、美容・エステ関係の事務。いずれは仕事でも活かしたいと思っていました。そんなAさんの家計は、以下の通りです。