独自手法で融資を伸ばしていた
西武信金に行政処分が下る

「リレーションシップバンキング(地域密着型金融)の世界では優れた方でしたけどね」

 ある金融庁幹部は、遺憾の意とも皮肉とも取れる言葉を口にした。反社会的勢力だと疑われる相手への融資など不適切な取引が見つかり、引責辞任した西武信用金庫(東京都)の落合寛司前理事長を指してのことだ。

 同信金の問題点は三つ。注力していた不動産投資向け融資において、業者による資料の改ざんを看過するなど「審査が有名無実化した」(金融庁関係者)こと。

 さらに、反社融資の露呈。加えてトップの落合氏が、監査担当からの反社の調査依頼を拒否したというガバナンス不備。これら「数え役満」(同)で業務改善命令が下された。

 そもそも信金と信用組合のなりわいは、企業訪問を重ねて取引につなげる“どぶ板営業”だ。

 そこに西武信金は、中小企業診断士などの専門家集団を地場企業に紹介するという独自手法を取り入れ、融資を伸ばしてきた。一連の醜聞をさらしたが、2018年3月期決算を基に全国400の信金・信組を順位付けしたところ、西武信金の“地力”は信金で全国1位に座していた。

 片や、地域経済の衰退は業界内格差を深刻にしつつある。今回、経常赤字で「ROA(総資産利益率)」がマイナスとなった信金・信組数は15。この数が1年前は10だったことから、“赤字体質”がにわかに増えており、銀行界の行く末を暗示する状況だと分かる。

 この状況下で、銀行の先回りをするように信金・信組でも再編が進んでいる。その過程では、痛みを伴う改革も発生。

 例えば18年1月に2信組の合併で誕生した西海みずき信組(長崎県)は、経営の効率性を示す「経費率」が176%の異常値となったが、背景には希望退職者を募って割増退職金を約2.8億円払ったことがある。

 銀行の「手本」かそれとも「末路」か。各信金・信組の将来を占う“羅針盤”として活用するためのランキングを作成したので参考にしてほしい。