米国で今週発表されたサービス業の失業率は、オンラインで作業できるか否かなどによって労働市場の分断が進んでいる様子を浮き彫りにした。3日発表された米雇用統計では、3月の就業者数が70万1000人減少したことが明らかになった。そのうち約3分の2はレジャー業界や接客を伴う業種における減少で、とりわけレストランやバーなど飲食店関連の失職者が目立った。遠隔で作業できる職種――情報・金融関連など、たいてい高度な技術職で高所得――の雇用者数は、先月ほとんど変わらなかった。しかもコンピューターシステム設計、経営コンサルティング、科学研究といった分野の雇用は3月に増加していた。こうした違いは、運命の岐路を映し出している。オンラインで容易に顧客に対応でき、躍進している事業と、実店舗と対面サービスに依存するため苦境にある事業の差だ。後者においては、既に進みつつあった流れが、新型コロナウイルスの感染拡大で加速したようだ。
リモートワークが広げる雇用格差、雇用統計で鮮明に
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