社会的、経済的な反動を招かずに学校閉鎖や集会中止などの措置に着手するタイミングはいつか――。新型コロナウイルスを封じ込めようと、民主主義世界の政治指導者は困難な綱渡りに挑んでいる。世界の保健問題に詳しい専門家によると、中国が都市を隔離し、学校・職場を閉鎖したことで新型ウイルスの世界的な感染拡大は鈍化した。大まかに「ソーシャルディスタンス」(他者との距離を確保する)戦略に分類されるこうした措置は、新型ウイルスに備え、知識を深めるための貴重な時間を稼ぐのに役立った。ただ中国、特に感染が最初に発生し、工場や企業が閉鎖された湖北省は多大な経済的犠牲を払った。さらに、こうした措置を取る上で、一党支配体制と中央管理による指令型経済はどちらかと言えば効率が良かった。
コロナ対策、「ソーシャルディスタンス」は有効か
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