米月間雇用統計は通常、米国の経済状況を明らかにするものだ。経済の現状と方向性に関する見立てを調整する、内容豊富でタイムリーな概況データだ。しかし、今回は違う。3日発表された3月の米雇用統計は非農業部門就業者数(季節調整済み)が前月比70万人以上の減少と惨たんたる結果となった。だが、新型コロナウイルス関連の雇用削減の本格化はまだこれからだ。2日に発表されたその前週の失業保険申請件数は600万件以上となったが、この衝撃的なデータをもってしても失業がどれほど深刻化するかや長期化するかは定かではない。前例がないのは新型コロナの衝撃の度合いだけではなく、そのほぼ全ての側面を取り巻く不確実性に関してもだ。不確実性はそれ自体、経済をむしばむ。