ロサンゼルスのスモッグはすっかり消え、ベネチアの運河の水は澄んでいる。中国の工場の排気物質はあまりにも劇的に減ったため、宇宙からその変化を確認できるほどだ。新型コロナウイルス感染拡大を抑止する出入国制限やロックダウン(都市封鎖)などの対策により、環境が迅速に改善され、場合によっては驚くべき効果が生じている。長期的な影響は明確でないものの、今や多くの気候科学者が、金融危機以来10年強ぶりに温室効果ガス排出量が減ることを期待する。金融危機当時は7%減少した。「2000年代終盤から2010年代初頭にかけての大不況よりも大きな影響があり、世界炭素排出量が恐らく数パーセント減るとみている」。ペンシルベニア州立大学のマイケル・E・マン特別教授(大気科学)はこう話す。
コロナ封鎖で空気きれいに 環境改善は一時的か
景気刺激策が長期的な環境対策を阻害する恐れ
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