同じような仕組みは中国の他社でも見られるが、シェアが高いのでここではゴマ信を中心に話を続ける。
ゴマ信用は下記のようなデータを取っているといわれる。
◎信用の点数化は5つの領域に分けて行われている。
(1)身分特質(ステータスや高級品消費など)
(2)履約能力(過去の支払い履行能力)
(3)信用歴史(クレジットヒストリー)
(4)人脈関係(交友関係)
(5)行為編向(消費面の際立った特徴)
こういったスマホアプリなどの「サービス」にプラスして、中国では大都市を中心に監視カメラも多く設置されている。つまり、日常生活が完全に管理(監視)されているわけだ。
実際に、中国国務院(内閣に相当)は、2016年12月に「個人信用体系建設の指導に関する意見」を発表、過去の信用データに基づき、飛行機や鉄道、列車などの利用に際して車両の損壊や車内暴力など問題行為があった乗客、のべ700万人以上に対し、チケットの購入禁止などの措置を実施した。
日本のクラスター分析は
特異な方法なのか
買い物などの消費行動も「ガラス張り」であり、しかも、巧みに誘導されてしまう。
例えば、日用品などをアリババで購入した場合、商品によっては、この点数は高くなる。このように日常生活、言い換えれば、消費者行動自体が管理・誘導されていると言っていい。
中国にはおいては、「個人の自由」や「個人の選択」といったものは、実際には「ない」と言っていいのかもしれない。
日常生活において、いつのまにか自分が誘導されているというのも気持ち悪いが、今回の中国における新型コロナウイルス感染に対する早期の対策の「成功」は、健康や医療、さらには命といった人間の尊厳にも関わる問題についても、管理することができるということを明らかにした。