大学卒業までに940万円
「教育費」は大きな出費

 30~40代は将来を見据え、できれば金融資産を積み上げたい時期だ。ただ、この世代は教育費を中心に支出がかさみやすい時期でもある。

 日本政策金融公庫が3月に発表した「教育費負担の実態調査」によると、子ども1人当たりの入学費用は、高校が30.3万円、大学が82.8万円となっている。入学費とは別にかかる通学費や教科書代、塾の月謝などを含んだ年間の在学費用は、高校が72.8万円、大学が151.9万円だ。

 国公立と私立、文系と理系といった事情を考えずに平均すると、高校3年間で248.7万円、さらに大学4年間で690.4万円が加わり、計939.1万円かかる計算だ。

 私立大学の場合、7年間で文系は965.7万円、理系は1070.4万円かかる。これが、国公立大学に進学すると748.1万円に抑えられる。

 年収が低いほど教育費の負担が重くなるということは、厳然たる事実だ。年収800万円以上の世帯では、在学費用が占める割合は13.3%にとどまる。それが600万円以上800万円未満、400万円以上600万円未満の世帯になると、それぞれ19.9%、22.5%に上昇する。200万円以上400万円未満の世帯に至っては37.5%である。

 教育費の負担は確かに重いが、金融資産が貯められないと、あきらめるのはまだ早い。この調査が実施された直後である昨年10月から、3~5歳児の幼保無償化が始まっている。小学校入学までの教育費が大きく下がり、この期間は貯蓄できるチャンスとなった。

 もちろん中学生、高校生と子どもが大きくなるにつれ、部活や塾などにかかる費用はどんどん膨らんでいく。ただ、20年度から、私立高校の授業料に対する補助額の上限が引き上げられた。このほか、大学授業料の無償化制度も始まるのだ(いずれも低所得世帯が対象)。

 大事なのは貯め時を逃さないことである。とりわけ塾や習い事などについては、定期的にその必要性を吟味し、節約につなげることをお勧めしたい。

◇この記事はダイヤモンド・オンラインとYahoo!ニュースによる共同企画記事です。昨年、大きな波紋を広げた「老後2000万円問題」。老後に向けた資産形成の重要性が高まっている一方、まだまだ準備できていない30~40代が多くいます。なぜ貯金、貯蓄ができないのか、その実情と課題を経済メディアの目線から伝えます。

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