スーパー,外出自粛要請
政府からの外出自粛要請を受け、スーパーには多くの客が殺到しています Photo:JIJI

コロナ不安からカスハラ被害も深刻

 新型コロナウイルスの感染拡大が、多くの業種に甚大な影響を及ぼしています。ウイルスへの不安感からか、ドラッグストアや医療機関でのカスタマーハラスメント(カスハラ)被害も目立っています。緊急事態宣言を受けた外出自粛のため、食料品を求めて人が押し寄せているスーパーマーケットも見受けられます。

 4月3日、スーパーマーケットやドラッグストアなど、小売業やサービス業で働く人の労働組合「UAゼンセン」は、緊急事態宣言後の従業員の安全確保の要望書を東京都知事に提出しました。なかには、警察や警備員の巡回強化が要望として挙げられており、悪質化したクレーマーによって従業員の安全が脅かされていることがわかります。

 ライフラインの確保は、今後のウイルス封じ込めに何よりも大切な部分です。そのためには、常識では考えられない要望を突きつけるクレーマーにかまっている時間を減らし、現場で働く方々の心的ストレスを軽減させる必要があります。

 このような苦しい状況下ですが、これはクレーム対応における「お客様第一主義の呪縛」から脱するチャンスだとも思っています。

「お客様は神様だろ!」「商品(サービス)を買ってやっている」という過剰な既得権意識を持っている消費者は、神様といっても、疫病神や貧乏神の類いです。ピンチはチャンス。今こそ、サービスの本質について考え直す時なのかもしれません。くしくも「カスタマーハラスメント」が注目され、買う人と売る人の価値基準が見直されることになったことを新たな好機だと捉えるべきです。

 ある現場では、「この言葉がもう10年早く出てきてくれていたら、仕事を辞めずにいてくれた同僚の数は片手では足りない」という声も耳にしました。過去に例がないほど、今、度が過ぎたクレーマーを問題視する社会的な機運が高まっているのは、間違いありません。