コロナパニックモンスターは
市役所や病院、身近なところにも
前回紹介したように、新型コロナウイルスでパニックになるモンスタークレーマー(パニックモンスター)への対応は、一筋縄ではいきません。見えないウイルスへの不安や不自由な状態に不満を抱えた消費者にとって、マスクの欠品はただのきっかけでしかないからです。
新型コロナウイルスへの感染が世界中で拡大するなか、パニックモンスターが爆発するのは、ドラッグストアだけではありません。
「何かあってからでは遅い! 今すぐ検査をしろ!」
「行政はどうなってるんだ!なんで全員を検査しないのか!?」
行政機関や医療機関にも多くの人が詰めかけています。
「マスクをつけていないのに、せきをするな!」
こうした乗客同士が起こした電車でのトラブルも記憶に新しいでしょう。
パニックに陥ったモンスタークレーマーは、理不尽で見境のない「無理やり(槍)」の矛先をあなたに突然向けてくるかもしれません。
相手の攻撃をサラリとかわす
3つの「受け流す技術」
心にたまった不安と不満の爆薬に火がつき、大爆発したようなお客には「顧客満足」を高めるどころではありません。接客を緊急時の「危機管理」に切り替える必要があります。こちらが誠意をもって対応しても、一向に収まりそうになければ、説得を諦めましょう。こうなってしまったら、「説得、納得、笑顔で和解」はまったくの幻想です。
危機管理のうえで大切なのは毅然とした態度できっぱり断ることですが、現場においては一番難しく、そう簡単に理想どおりにはいきません。こうした納得しない相手の対応に悩んだ末に、私が出した答えは、モンスターの無理やりな攻撃を「上手にかわす」ことでした。真正面から受け止めると、心が壊れてしまいます。頭の固い相手(他人)の石頭を柔らかくする達人を目指す必要はないのです。