新型コロナとアングラ社会
新型コロナ対策に余念がないのはアングラ社会も同様。特に入れ墨や覚せい剤、多量の飲酒などで基礎疾患を抱える人が多い暴力団関係者であれば、なおのこと、しっかりとした予防対策を行っているところが少なくないようだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

マル暴刑事と
暴力団との日常

 私がマル暴の刑事だった頃、暴力団事務所を訪れると、電話番の若いのや、少年っぽさが残るダークスーツのティーンエイジャーや、アスレチックウエアのヤンキー風などが、「チェッ、またデコスケが来やがった」といった表情で「空っ茶(出がらしの茶)」を淹れてきたものだ。

 鬼瓦オヤジのデカ長と私の2人分の茶を面倒くさそうに淹れて、来客用のテーブルに置く。

 それでも、テーブル上に茶をこぼしたり、デカ長が座る席に脚が触れるような粗相は許されない。そんなことが起きようものなら、事務所で中堅の「兄貴分」が、こちらに聞こえるように、「てめえ、何やってんだ。この野郎!」の怒声を浴びせかけ、「私らは警察には畏敬の念を持ち、細心の注意を払っています」と暗に訴えてくる。