利益率は外食企業の水準に遠く及ばない
HDの構造改革にも着手

 ただ、黒字転換は実現したものの、外食企業の水準としては、まだまだ満足できる状況とは言い難い。

 吉野家HDの20年2月期の営業利益率は、わずか1.8%。外食企業の営業利益率が平均5%程度とされる中、稼ぎ出す力は依然として弱い。

 いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は、「売上高が2000億円規模の企業であれば、営業利益率で5%は必要なライン。営業利益段階で90〜100億円はほしい」と指摘。V字回復を果たしたとはいえ、20年2月期の営業利益39億円は、業界水準の半分以下だ。

 そこで、吉野家事業が好調なうちに、HDの構造改革にもメスを入れた。吉野家HDは牛丼の「吉野家」に加えて、うどんチェーン「はなまるうどん」や持ち帰り寿司の「京樽」、ステーキレストランの「ステーキのどん」などで構成されている。

 このうち「ステーキのどん」を運営する事業会社アークミールを、20年2月末をもって焼肉チェーンの安楽亭に株式譲渡した。アークミールは、吉野家HDの売上高の約1割を占めるものの、赤字を垂れ流し“お荷物”となっていた。

 吉野家事業の復活と不採算事業の整理を進めたものの、新型コロナウイルスの感染拡大で吉野家HDのみならず外食業界全体の先行きが危ぶまれている。吉野家HDは14日の決算で、21年2月期の業績予想については、新型コロナウイルスの影響が見通せないことから「未定」とした。