テイクアウト15%オフのキャンペーン
コロナ拡大も「チャンス」と捉える

 コロナで外食業界が窮地に陥っていることは疑いのない事実。それでも、ファーストフード業態は不景気に強く、「東日本大震災や、リーマンショックの時も、業績の落ち込みは軽微で、回復も他業態に比べて早かった」(鮫島氏)とされている。

 吉野家の3月の既存店売上高は、前年同月比98%と踏みとどまった。居酒屋業態では、同50%と苦境に陥る企業も少なくない中、底力を発揮している。

 このため、「コロナもチャンスに変える」と吉野家関係者の鼻息は荒い。

 新型コロナの感染拡大と外出自粛を受け、吉野家は、牛丼のテイクアウトを15%オフにする大規模なキャンペーンをはじめた。「赤字にならないギリギリのライン。それでも、さらなる新規顧客の取り込みを目指し、今が勝負」と前出の関係者は明かす。

 吉野家のイートインの男女比率は8:2。これに対し、テイクアウトは5:5とされる。店舗に入りたくない女性や、これまで吉野家という選択肢が頭になかった層の取り込みを今回のキャンペーンで狙う。

 テイクアウト需要の取り込みを狙った吉野家の動きに対し、牛丼チェーン「松屋」もすかさず追随した。吉野家の15%に負けじと、主力商品の牛めしをテイクアウトで18%オフという施策を打ち出し、競争は激化している。

 コロナ拡大も“商機”と捉える吉野家。完全復活に向けて歩みを進めている。