コロナショックは
業界大再編のトリガーになる?

 折しも自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えているが、今回の“コロナショック”がこの進展にどう影響を及ぼすことになるか、企業業績への波及いかんでは業界大再編のトリガー(引き金)にもなりそうだ。

 実際、米国ではリーマンショックで、GMとクライスラーが経営破綻し、米政府が救済するという事態となり、フォードも自力再建に向かったが傘下にあったジャガーやボルボなどを手放して、世界のビッグ3が事実上、消滅した。

 このコロナ禍の拡大で世界の自動車販売は急減し、工場の休止も相次いでいる。

 新型コロナの発生源とされる中国・武漢地域での生産停止を皮切りに北米、欧州に飛び火してさらに日本やインド、東南アジアと世界の自動車工場が一時生産停止になる中で、3月の欧米の新車市場は4〜8割の減少、インドも6割減少し日本や中国でも冷え込んでいる。

 当然、雇用面の影響も大きい。日産が米国で1万人を一時解雇(レイオフ)し、ホンダも1万人規模の一時帰休を始めた。国内でも三菱自動車が国内3工場の一時帰休を実施し、トヨタやホンダが期間工の新規募集を停止している。

 現状、どこも厳しい状況にある。主要市場の2020年の見通しは、中国2238万台(前年比10%減)、北米1721万台(同15%減)、欧州1403万台(同14%減)、日本467万台(同8%減)だ。そして、世界市場の本年見通しは現状で7879万台(同12%減)と8000万台を割り込む。コロナ禍が長引けば、その減少幅はさらに拡大する。

 リーマンショック後の回復をリードしたのは、中国市場だった。当時、北米、欧州、日本市場が大きく落ち込む中で、09年に中国市場が1364万台と米国の1060万台を抜いて世界市場トップに躍り出たのだ。その後、中国市場は世界トップを確保してきたが、ピークは17年の2888万台でここへきて急成長にストップがかかっていた。

 皮肉にもコロナ発生元の中国がいち早く生産を再開したが、需要が本格的に回復し、フル稼働するにはかなりの時間がかかりそうだ。