ムーディーズ・ジャパンにより
最下位の格付けとなった日産

 それでは日本の自動車業界、メーカー各社にコロナ禍はどのような影響を及ぼすのか。

 生産休止が相次ぎ、販売が減る中で、財務悪化を懸念した格下げが発表されている。ムーディーズ・ジャパンは3月に日産の格付けを2段階下げ、トヨタ、ホンダを1段階引き下げた。特に日産は投資適格としては最下位の格付けとなった。

 日産は、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、日本政策投資銀行に対しコミットメントライン(融資枠)を含めた5000億円規模の融資を要請。トヨタも三井住友銀行・三菱UFJ銀行に対して1兆円の融資枠の設定を要請し、社債の発行枠も従来よりも1000億円積み増した。ただ、手元資金は日産が1兆4000億円、トヨタは6兆円持っている。つまりこれは、コロナ禍の終息が見えないことから不測の事態に備えようというものだ。

 ただ、日産の場合は前期第3四半期で赤字を計上するなど業績悪化にあえいでいる。5月に内田新社長の下で経営再建策を発表したものの、米国事業の立て直しに加え、頼りの中国事業もコロナ禍が追い打ちをかけ、苦境にあるのは確かだ。ゴーン体制下で仏ルノーと三菱自動車を加えた日仏連合はこのコロナ禍をどう乗り越えるのか、大きな岐路に立たされている。

 ホンダも八郷体制の最終段階にある中、英国、トルコ、フィリピンの各海外工場閉鎖に、日本の狭山工場閉鎖の決断など世界生産体制の見直と、四輪車事業の収益性向上に取り組んでいる最中である。ここでのコロナ禍は痛い。

 スバルやマツダも、北米での事業ウエートが高いだけに、米国でコロナ問題が長引くほど業績悪化への影響が大きくなる。

 スズキは、海外ではインドで圧倒的な市場シェアを誇り、世界供給生産基地としても確立しているため、同国での事業が大きなポイントになっている。そのインドも全土で都市封鎖(ロックダウン)の最中であり、自動車生産・販売ともに停止している。

 トヨタは、2月の第3四半期決算発表時に連結営業利益2兆5000億円を予想していたが、コロナ禍で目減りしたもようだ。

 第3四半期(4~12月)決算では過去最高に迫る利益を計上し、世界市場でバランスの取れた販売実績を示していたが、さすがのトヨタもこのコロナ禍の影響で今期(4月〜)の業績見通しが立てにくく、かなり厳しいものとなりそうだ。

 これまで、ダイハツ・日野の子会社に加えてスバルが連結対象になり、マツダとスズキとの資本相互提携でトヨタグループを拡大してきた。また、ソフトバンクやNTTといった異業種提携で、大変革期の旗手に名乗りを上げる中、このコロナ禍に対し、どのように“日本連合”で攻めていくのか。この2020年は正念場となりそうだ。