東京都がパチンコ店を含む遊技施設などに休業要請を出した10日。ある繁華街のパチンコ店は、開店前から100人超の客でごった返していた。政府が不要不急の外出を呼びかけるなか、なぜパチンコ店には人が集まるのか。なぜそれが「許される」のか。関係者を取材した。
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4月10日、午前9時半。東京・墨田区の繁華街にあるパチスロ店では、100人超の客が開店まで順番を待っていた。
列に並ぶ客の半数以上はマスクを着用していたが、中には路上でたばこを吸う人や、マスクを片耳にかけてぶらさげている人も。せきをする人の姿もあった。
「こちらは墨田区役所です。緊急事態宣言、発令中です。不要不急の外出は控えましょう」
新型コロナウイルスの感染拡大に注意喚起をうながす区のアナウンスがむなしく響く。
午前10時。店のスタッフらが客に呼び掛けた。
「整理券をお持ちの方は、店内で抽選待機となりまーす!」
大勢の客がぞろぞろと店内に入っていった。