東アジアでは天然ガス価格が初めて石炭価格と同水準まで下落した。この地域で米国型のエネルギー転換がさらに進むきっかけになりそうだ。韓国や台湾、中国の政府は、新型コロナウイルスが市場を動揺させる以前から天然ガスへのシフトを進めていた。しかし、2月以降の市場の混乱で液化天然ガス(LNG)価格が過去最安値に下落したため、こうした転換の加速が可能になっている。シェールガスの増産を追い風に、米国ではこの10年で石炭に対する天然ガスの競争力が高まり、その結果、多くの石炭生産会社が倒産に追い込まれた。東アジアでもこれと同様の変化が静かに進んでいる。台湾は2025年までに電力の半分を天然ガスで賄い、2017年には半分近かった石炭発電量を3分の1以下に抑える計画だ。韓国では3月に60基の石炭火力発電所のうち28基を一時停止した。天然ガスの価格が下がり続ければ、さらに停止が行われる可能性もあると業界関係者らは述べる。中国はといえば、LNG輸入で世界最大の日本を数年以内に追い抜くとみられている。
「石炭から天然ガスへ」 価格下落で東アジアの転換進む
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