東アジアでは天然ガス価格が初めて石炭価格と同水準まで下落した。この地域で米国型のエネルギー転換がさらに進むきっかけになりそうだ。  韓国や台湾、中国の政府は、新型コロナウイルスが市場を動揺させる以前から天然ガスへのシフトを進めていた。しかし、2月以降の市場の混乱で液化天然ガス(LNG)価格が過去最安値に下落したため、こうした転換の加速が可能になっている。  シェールガスの増産を追い風に、米国ではこの10年で石炭に対する天然ガスの競争力が高まり、その結果、多くの石炭生産会社が倒産に追い込まれた。東アジアでもこれと同様の変化が静かに進んでいる。