Snug Nuggetのトップページ。支払い金額の14.3%は、Book Aid Internationalに自動的に寄付される。

 デジタル書籍を複数冊ひとまとめにしたものを、消費者が言い値で購入。しかもその支払い金額の14.3%を慈善団体に寄付するというサイト「Snug Nugget」が登場した。

 この説明だけでは、これでビジネスとして成立するのだろうか? という疑問が沸いてくるだろう。じつは、販売しているのが書籍ではなくゲームや音楽であれば、米国ではすでにこの方式で成功しているビジネスモデルが存在するのである。

Humble Bundle」は、現時点までに9つのゲームのバンドル(複数ゲームをまとめたもの)を販売、1500万ドル以上を売り上げている。また期間限定(8月9日まで)で行われたデジタル音楽のバンドルでは、約41万ドルの売り上げを計上した。同サイトも、売り上げの一部を寄付している。また2001年4月には、セコイア・キャピタルから470万ドルの出資を受けている。

 一方、Snug Nuggetは、まずはSnug Nuggetに関心を示した150人以上の作家の中から、まず米国の作家4人、英国の作家1人の作品をバンドルした最初の「ブック・バンドル1」を発売したところだ。電子書籍はDRMフリーで、Kindle、ePub、PDFの3形式が用意されている。

 購入したい人は、自分が支払いたい金額を入力する。もちろん1セントでも構わない。ちなみに5冊を合わせた希望小売価格は27.66ドルである。あとはメールアドレスを入力し、ペイパルまたはGoogleチェックアウトで支払うだけ。その支払い金額の14.3%は、Book Aid Internationalに自動的に寄付される。

 Snug Nuggetを設立したのは、26歳のイギリス出身のミッチ・パグデン氏。英紙Shropshire Starオンライン版によると、Humble Bundleの成功を知ってデジタル書籍の言い値販売を思いついたものの、当初は多くの人が1セントしか払わないだろうと覚悟を決めていたそうだ。しかしふたを開けてみると多くの人々が、それよりずっと高い金額を払ってくれている。同氏によれば、65セント以上払ってもらえれば、利益が出るという。

 同社ウェブサイトによると、8月12日時点での「ブック・バンドル1」の合計販売数は103。平均支払金額は4.66ドルである。今後、3週間ごとに新しいバンドルの販売を予定しているという。

「バンドル」と「寄付」を組み合わせることで、インディーズ作品や自費出版の有料配信につなげる動きが今後も広がっていくのか注目したい。

(岡 真由美/5時から作家塾(R)