電子書籍元年と叫ばれて、一気に電子書籍化が主流となり、紙媒体はどうなるのかと思ったものだが、目下電子書籍が予想以上に広がりを見せている様子はない。だが、電子書籍を利用する読者が右肩上がりに増えていることも事実だ。米国Amazon.comは、取り扱い開始から4年もかからずに、紙書籍の販売部数を超えたと発表している。
電子書籍化される書籍は増えているが、自分の読みたい本が電子書籍になっているかどうかを、もっと簡単に知りたいという読者も多いのではないだろうか。
紙の本を探す場合、本屋さんへ行き自分で書棚を探すという楽しみもある。また時間が足りなかったり、探している本が見つからない場合、書店の検索機を使う人もいるだろう。しかし、電子書籍の場合、書店の中を見て歩くのとはちょっと勝手が違ってくる。
そんな人にお勧めなのが、iPhone向け無料電子書籍ナビゲーションアプリ「ダ・ヴィンチ電子ナビ」だ。株式会社メディアファクトリーの電子書籍情報サイト「ダ・ヴィンチ電子ナビ」と連動して、8万点以上の電子書籍をタイトルや著者名で検索することが可能だ。
雑誌『ダ・ヴィンチ』は、小説からマンガまで幅広く紹介している「本好き」には、嬉しい雑誌。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」は、その利点を活かした機能も充実している。「スペシャル」機能を使えば、単に検索アプリだけに留まらず、「オリジナル読み物」や「無料立ち読み情報」など、お得な情報を見ることができる。
一方、Androidスマートフォン向けとしては、「株式会社hon.jp」と「株式会社FEYNMAN」が共同開発したアプリ「i書籍&コミックNAVI」がリリースされている。携帯電話でもドコモ、au、ソフトバンクの3Gケータイであれば、パソコン同様に検索が可能だ。
また、キーワード検索によるAndroid向け電子書籍の検索も可能。作品別に電子書籍販売サイトやアプリD/Lページへワンクリックで誘導もしてくれる。その他にも、お気に入り作品のブックマークやカテゴリ別にお勧め電子書籍リストの表示を紹介する機能などが用意されている。
両社共に、全ての電子書籍サイトからはヒットされにくいという難点はあるものの、始まったばかりの電子書籍市場において、今後のニーズの伸びしろは大きいはずだ。これから電子書籍検索アプリも改良されていくのだろうが、販売者側の立場ではなく、読者の視点に立った「検索しやすいアプリ」になることを期待したい。
今回は、電子書籍検索アプリについて紹介したが「e読書.jp」「BOOK asahi.com」「読むナビ」などパソコンで検索できるサービスもあるので、用途に併せて活用してはどうだろうか。
(木村明夫/5時から作家塾(R))