――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター ***  32歳の米国人になったつもりで考えてほしい。2009年春に大学を卒業したときには多額の学生ローンを抱えていた。社会の仕組みにそうするよう促されたからだ。  社会に出てみると大恐慌以来の最悪の不況の真っ最中で、約束されていたプロフェッショナルの道に進むことができなかった。遅れを取り戻そうと10年間、必死に働き、もしかしたら結婚や車や住宅の購入、子どもを持つことを後回しにしたかもしれない。景気が順調だった今年初めにはやっと追い付いたと感じていた。  そこに新型コロナウイルスが襲いかかった。