サウジアラビアとロシアの原油価格戦争で、市場には原油があふれている。今や需要が蒸発し、買い手を探すことも困難になった。その結果、サウジは産出した原油の大半を洋上で保管するほかなくなっている。  サウジ石油当局の関係者によると、世界のスーパータンカーの少なくとも10隻に1隻は、洋上の原油保管施設として使われている。そうした多くがサウジ産原油を満載したまま、買い手がつかずに海上を漂っている。  異例の市場力学が働き続け、原油相場は21日も急落に歯止めがかかっていない。米原油先物は前日、史上初のマイナス価格に沈んだ。サウジは3月、安価な原油を市場に放出させる決断を下した。