米大統領選挙が行われる11月はまだだいぶ先と言えるかもしれない。米国の政治は、新型コロナウイルスによって大混乱に陥っている。しかしそんな中で、一段と明確になってきたことがある。それはドナルド・トランプ大統領の再選につながる可能性が最も大きい道は、北京経由の道だということだ。米経済が壊滅状態となり、パンデミック(感染症の世界的大流行)が国土を荒廃させている状況下では、トランプ氏が2021年1月以降も大統領の地位を維持するための唯一の方策は、恐らく大統領選挙を中国に対する国民投票とすることだろう。なぜ北京なのか。第1の理由として、米国民が中国政府の態度に不満を強めていることが挙げられる。新型コロナウイルスが武漢から噴き出され世界を震撼(しんかん)させる以前の2019年の段階でも既に、米国民の57%は中国政府に不快感を抱いていた。2020年2月のギャラップによる最新世論調査ではその割合は67%に達している。