世界が新型コロナウイルスのことをようやく知り始めた1月、ベトナムの指導者はすでにこのウイルスを国民が戦うべき「敵」になぞらえた。それから数カ月間で、政府は国営施設に数万人の市民を隔離したほか、小さなクラスター(感染者集団)が発生しただけでその村全体をロックダウン(封鎖)した。最初の感染者発見から3カ月たち、少なくとも今のところ、同国はこのウイルスを撃退したようにみえる。ベトナムの新規感染者は過去10日間にわずか2人。いずれも先週日本から帰国した学生だった。人口9500万人を超える同国だが、ウイルス感染による死者はまだ1人も出ていない。感染が確認された患者270人の大半はすでに回復した。3週間続いた不要不急の外出禁止が緩和されたのを受け、小売店やレストランは23日から営業を再開した。フォーなどの麺料理やコンデンスミルク(練乳)入りのコーヒーを提供する首都ハノイのカフェには、徐々に常連客が戻っている。配車サービスも再開されているが、学校や地元市民に人気のカラオケバーの多くはまだ閉鎖中だ。
コロナ封じの優等生、ベトナムが成功した理由
人口9500万人強で感染者300人以下、死者はゼロ
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