欧州中央銀行(ECB)は30日、ユーロ圏の金融機関を対象に新しい長期融資制度を立ち上げ、既存ローンの金利を引き下げると表明した。さらに、先ごろ発表した債券購入プログラムに基づく購入枠を拡大する準備を整えると明らかにした。新型コロナウイルスの流行による経済への影響を抑えるため、政策手段を拡充する。ECBは発表文で、金融機関に期間3年の低利融資を提供する計画を示した。金利は過去最低のマイナス1%とする。先月発表した「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」と呼ぶ7500億ユーロ(約87兆円)規模の債券購入プログラムの拡大には踏み込まなかった。ただ、「必要とされる規模と期間にわたりPEPPを拡大し、構成を調整する準備は万全だ」と述べた。