米ジョンズ・ホプキンス大学のローレン・ガードナー准教授(工学)は1月、構内のカフェテリアで、中国出身の大学院生2人と、はしかやデング熱、ジカウイルスなどの研究について語っていた。そして、話題はいつの間にか、中国で当時猛威を振るっている新型コロナウイルスへと移っていった。これを機に、ガードナー氏はコロナを追跡したいという学生とともに、1日でウェブサイトを作成。1月22日に「COVID-19ダッシュボード」を立ち上げ、急速に広がるコロナ感染症のパンデミック(世界的大流行)をリアルタイムで追跡するという、史上初の試みの先導役となっていた。膨れあがる感染者数の赤い点と世界の死者数を記録した同サイトは、誰も想定していなかったほどの大反響を呼んだ。コロナを追跡する人々にとって必要不可欠なリソースとなり、世界各国における危機管理の根幹をなす存在となった。テレビ報道でも、同サイトのデータがほぼ毎日のように引用されている。