元・コーセー取締役で、なんと85歳のいまも現役の美容研究家・メイクアップアーティストとして働き続けている小林照子氏。ライフワークは「印象分析」。長年にわたって美容業界の第一線を走り続けてきた小林氏の元には、政財界、法曹界、芸能界の人間のみならず、数多くの企業経営者、ビジネスパーソンが“イメージづくり”の相談に訪れる。今回のテーマは「男を磨く頭皮毒出しマッサージ」。これまで、VIPにしか伝えてこなかったスペシャルメソッドを公開する。(聞き手・構成/赤根千鶴子)
抜け毛や薄毛が気になったら
シャンプー前に「頭皮マッサージ」を
抜け毛や薄毛に悩む方には、私はいつもこうお話ししています。
「何もしないで悩むということは、時間の無駄にしかなりません。もし抜け毛や薄毛が気になり始めたのなら、髪の毛が生えてくる土壌である『頭皮』のケアをきちんとしていきましょう。その上で『自分の髪』をデザインしていく気持ちをいつも持つことよ」
いまの髪を維持するために私がビジネスパーソンにお勧めしているのは、頭皮マッサージです。人間の毛髪というものは、平均で約10万本あります。頭皮では常に皮脂分泌がさかんに行われていますから、毎日しっかり汚れを落とさないと、皮脂や汚れはどんどん毛穴に詰まっていきます。毛穴が詰まると、頭皮の血流も滞ります。そして髪の成長も遅くなり、薄毛になったり、抜け毛が増えたりするのです。
普通にシャンプーしただけでは、頭皮の汚れまできれいに落とすことはできません。そこでシャンプー前に頭皮をマッサージすることで頭皮をゆるめ、毛穴を開いて汚れを落ちやすくしておくことが大切なのです。
小林流・頭皮毒出しマッサージは、約5分でできます。入浴時に湯船につかりながらやってみましょう。まず動画の(1)のプロセスから始めます。親指のふくらんだ部分をこめかみに当て、目がつり上がるくらいに力を入れて引っ張り上げてください。そしてそのまま力を入れて上に引き上げ、ゆっくり後ろに向かって手をくるくる回しながら側頭部をマッサージします。次に動画の(2)のプロセスのように、頭のてっぺんのくぼみ、百会(ひゃくえ)のツボを刺激。左右どちらかの親指の第一関節を軸に、真下に向かってグーッと指圧します。
続いて頭頂部から頭全体を刺激します。両方の手を頭の上に上げ、力を抜いて10本の指でトントンと頭皮を叩いていきます(動画の〈3〉のプロセス)。そのあと、さらに頭全体を刺激していきましょう。髪の中に手を入れて、地肌に指の腹をあててください。その指先に力を入れて、同じところで円を描くようにゆっくり動かします。1カ所につき、3~5秒が目安です(動画の〈4〉のプロセス)。少しずつ指の位置を変えながら、頭全体をマッサージしていきましょう(動画の〈5〉のプロセス)。
頭皮マッサージが終わったら、首のつけ根をほぐして終了です。顎を下げて両手を組み、後頭部にあててバネのように動かしながら、親指の腹を使って首のつけ根をグーッと押します。息を吐きながらゆっくりと押してみましょう(動画の〈6〉のプロセス)。少しずつ場所をずらしながら、首のつけ根から耳の後ろあたりまで指圧したら終了です(動画〈7〉のプロセス)。シャンプー剤を髪につけ、汚れをもみだすように頭皮を丁寧に洗っていきましょう。