世界最大のゲーム会社である中国のテンセントホールディングスは、新型コロナウイルス流行による外出制限を追い風にハイスコアをたたき出した。ただ、ロックダウン(都市封鎖)の押し上げ効果が去った後、次のレベルへ到達する道は一段と険しいかもしれない。1-3月期(第1四半期)の売上高は前年同期比26%増の1080億元(約1兆6200億円)と過去最高に達し、調査会社S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめたアナリスト予想を上回った。営業利益は1%増と、やはり予想を上回った。投資利益は前年同期より少なかった。投資による利益や26億元の寄付といった一時項目を除けば、営業利益は30%増となる。主なけん引力となったのは売上高の43%を占めるゲーム事業だ。新型コロナの感染拡大により、中国で多くの人が外出自粛を余儀なくされことが背景にある。テンセントは中国トップの人気モバイルゲーム「ピースキーパーエリート」と「王者栄耀(えいよう)」を開発した。「PUBG Mobile」と「クラッシュ・オブ・クラン」も、中国以外の国で好調だ。テンセントのスマホゲーム売上高は前年同期比64%増加した。2019年下半期にフィンランドのゲーム会社スーパーセルを傘下に収めたことも、こうした成長に寄与した。