炒めものをパターンに分類できると知れば、もう献立に迷うことはない。レシピを検索するのをやめ、食材を「味つけの方程式」に当てはめる。醤油、みりん、ショウガといったベースの型を使い回すだけで、バリエーションが無限に広がる超実践的な自炊術を紹介するのが、佐々木俊尚氏の新刊『人生を救う 名もなき料理』。本書の内容の一部を特別に公開する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

気づいたらレシピを見ないで料理できる、たった1つの思考法Photo: Adobe Stock

炒めものに必要な要素とは?

 これからあなたが炒めものをするときには、味つけは以下の二点だけ考えればいい。

「塩味は何にするか」

「塩味にさらに甘味、酸味、スパイスを加えるかどうか」

 炒めものの味つけを要素分解していくと、たったこれだけの話になるのだ。

 そしてもうひとつ大事なことを言おう。

 このシンプルな要素分解メソッドがあれば、具材は好きなように入れ替えても大丈夫なのである。豚肉を牛肉や鶏肉にしてもいい。

 野菜をソラマメやナスから、ピーマンやモヤシや小松菜に変えてもいい。味つけさえしっかり覚えておけば、具材など自由自在に入れ替えていいのだ。

冷蔵庫にあるもので無限に料理する方法

 するとあなたの家の冷蔵庫が、魅力的な存在に変身してくれる。

 今までのように、レシピから料理を考えなくても済むようになる。冷蔵庫をのぞいて、こう考えればいい。

「鶏もも肉があった。野菜は何があるかな。ナスとレンコンがあった。じゃあ鶏もも肉とナスとレンコンの炒めものを作ろう。今日は甘めのものが食べたい気分だから、味つけは塩味と甘味。味噌とみりんにするかな」

 大事なのは、ベースとなる味つけと要素だけ知っておけば、いくらでもバリエーションは増やせるということだ。

 醤油とみりんとショウガで味をつける「豚肉のショウガ焼き」を知っていれば、「鶏肉とピーマンのショウガ焼き」「牛肉とトマトのショウガ焼き」「豚肉とキャベツのショウガ焼き」「ツナとインゲンのショウガ焼き」と、作れるレシピの数はほとんど無限というぐらいに増やすことができるのだ。

(本記事は、書籍『人生を救う 名もなき料理』を抜粋・再編集したものです)

佐々木俊尚(ささき・としなお)
1961年生まれ、文筆家。テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで縦横無尽に発信している。現在は東京・長野・福井の三拠点生活を送り、コロナ以後に注目されてきている移動生活の先駆者でもある。妻は、イラストレーターの松尾たいこさん。一緒に暮らし始めたときから、料理は全面的に担当。その毎日の食卓を織り交ぜつつ、手際のよい調理の仕方、献立の立て方などを紹介した著書『家めしこそ、最高のごちそうである。』(マガジンハウス)は、大きな話題を呼んだ。『人生を救う 名もなき料理』は、12年ぶりの料理関連の書き下ろしとなる。