新型コロナウイルスのワクチン候補として、結核の予防ワクチンである「BCG」に注目が集まっている。研究者の間では専用のワクチンが開発されるまでの「つなぎ」になるとの期待も出ており、インドやオランダ、米国などでは大規模な治験が始まった。一部の研究者からは、東アジアや東欧などコロナの封じ込めに比較的成功している国には、子どもの予防接種にBCGが組み込まれているところが多いとの指摘が出ている。そのような相関関係はさまざまな要素が原因となっている可能性があり、すべての国がその傾向に沿っているというわけでもない。例えば、ブラジルはBCGの接種を行っているが、コロナの感染者も急増している。オランダのラドバウド大学医療センターのミハイ・ネティア氏は「多くの先入観や国ごとの違いが存在しているため、(その関係性が本当に成り立つのか)判断するのは難しい」と話す。