ドイツでは今週、奇異なことが起きた。新型コロナウイルスの感染拡大ペースが若干速まり始めたにもかかわらず、当局と市民がそれに対処できているのだ。これは経済活動の再開を許可しようとする他国の政府にとって重要な参考例となる。ドイツ政府に疫学面の助言を行っているロベルト・コッホ研究所(RKI)の科学者の推計によると、4月下旬に同国のロックダウン(都市封鎖)の緩和が開始されて以来、市民の間で新型コロナウイルスの感染が再拡大している。「再生産数」は、今週に入って数日にわたり1を上回った。先週末は1.1だった。これは1人の感染者から平均1.1人に感染することを意味するもので、指数関数的な感染者の増加となる。これは医学的な出来事であると同時に政治的な出来事でもある。封鎖が緩和されるに伴い、新型コロナが他の呼吸器系ウイルスと同等の速度で広がることは避けられないように見える。しかし、アンゲラ・メルケル首相は再生算数が1未満であることを再開計画の中心的な項目の1つにしていた。
【社説】コロナ規制緩和、ドイツの新思考
経済再開のためには多少の感染拡大は容認
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