新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による大恐慌以来の急激な経済収縮に底打ちの兆しが見られ、一時的な回復が進んでいる可能性がある。政府統計は4月の小売売上高や製造業生産の記録的な減少を示すものの、急速に変化する状況下ではしばしば、新たなトレンドは民間部門の日次・週次統計にまず表れる。政府統計ほどの信頼性や総合性はないものの、こうした統計は転換点を迎えている兆候を示している。一例として、全米のアップル端末からの地図検索は1月中旬から4月9日終了週にかけて半減したが、その後は一貫して増え続け、現在はわずか2割減にとどまる。自動車の運転は必ずしも支出と一致しないとはいえ、移動データ分析会社のウナキャストによると小売店の来店客数も同様の傾向を示し、4月中旬には前年同月比50%余り落ち込んでいたのが、先週は32%減にとどまった。不動産のオンライン仲介を手掛けるRedfin(レッドフィン)によると、系列会社への顧客の引き合いを目安とする住宅購入需要も、一時は3分の1まで落ち込んだが、足元ではパンデミック前を上回る水準に持ち直している。