オーストラリアのクイーンズランド大学は中国政府に批判的な言動を取っている学生に対し、退学処分や法的措置も辞さない構えだ。国内の高等教育における中国の影響を巡り、再び緊張が高まっている。この学生は哲学専攻のドリュー・パブロウ(20)さんで、学則に違反したり、職員や学生に嫌がらせしたり、大学の評判を失墜させたとして、懲戒委員会にかけられようとしている。キャンパス内での活動やオンライン投稿で中国をあざけるような見解を示したことが、大学側の怒りを買った。パブロウさんの弁護士は問題が進行中のためコメントを控えるとした。オーストラリアでは、教育の場における中国の影響力を巡る議論が交わされており、パブルロウさんはその矢面に立たされている。豪の大学は外国人学生からの収入にますます依存しており、その多くは中国からの学生だ。大学の理事らが中国政府に取り入り、中国人学生を引きつけようとする中、大学はソフトパワーによる影響力を行使しようとする中国の試みに一段とぜい弱になっている。