フランスではかねてよりカフェやオフィスはもちろん、それ以外の場所でも、お互いの頬をつけてあいさつするのはごく当たり前のことだった。この頬に2度キスをする習慣はフランス語で「ラ・ビズ」と呼ばれている。ラ・ビズはフランスの日常生活に深く浸透し、握手と同じくらい気軽に行われている。エマニュエル・マクロン仏大統領でさえ、公式訪問でフランスを訪れた外国首脳にラ・ビズであいさつをしている。2018年にドナルド・トランプ米大統領もこれに驚かされていた。フランスで先週、2カ月にわたるロックダウン(都市封鎖)が緩和された際、最初の気まずいあいさつは、ソーシャルディスタンシング時代の生活を巡る深刻な疑問を生じさせることになった。フランスはラ・ビズにさよならする準備ができているのか?