イラン経済は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)と原油相場の急落で打撃を受けている。それにもかかわらずイランは、ベネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロ大統領を支援するため、米国による制裁措置を無視する行動に出ている。イランのバンダルアッバス港で3月にガソリンを積み込みベネズエラに向けて出港したタンカー1隻が、先週スエズ運河を通過した。同タンカーは今週末にはカリブ海に入る可能性がある。関係筋によると、マドゥロ政権向けの燃料を積んだ別の4隻のイラン船籍タンカーが、このすぐ後に続くとみられ、さらに多くのタンカーが用意される可能性もある。これは米国の対イラン制裁に違反する行為であり、米政府は対応策の選択肢を検討している。イランのヌール通信は16日、米国が行動に出れば報復すると警告。「米国が海賊のように、国際航路での航行の安全を脅かすならば、危険なリスクを冒すことになり、必ず報いを受けるだろう」と伝えた。