――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター  ***  ついこの間までは、製薬会社の株価は集中砲火が浴びせられていた。命を救う薬の法外な価格やオピオイド危機によって、製薬業界は米国で最も不人気な業界となった。大統領選の民主党候補たちは薬価引き下げの公約を競い、ドナルド・トランプ大統領も似たような政策について思案していた。  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は製薬会社に名誉挽回の機会をもたらした。各社は治療法やワクチンの開発に資源を投じ、経済全体の命運がその成功に掛かっている。