ついこの間までは、製薬会社の株価は集中砲火が浴びせられていた。命を救う薬の法外な価格やオピオイド危機によって、製薬業界は米国で最も不人気な業界となった。大統領選の民主党候補たちは薬価引き下げの公約を競い、ドナルド・トランプ大統領も似たような政策について思案していた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は製薬会社に名誉挽回の機会をもたらした。各社は治療法やワクチンの開発に資源を投じ、経済全体の命運がその成功に掛かっている。米バイオテクノロジー会社 モデルナは18日、開発中のワクチン候補薬が初期の治験で良好な結果を示したと報告。ダウ工業株30種平均は4%近く跳ね上がった。米バイオ製薬大手ギリアド・サイエンシズが3週間前に公表した抗ウイルス薬「レムデシビル」の良好な治験結果も、同様の反応を引き起こした。
米の薬価論争が再燃、新型コロナ治療薬が火種
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