上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
みなさんが安心して、長く住めるマンション管理の方法をお伝えします。

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管理費も修繕積立金の金額も
売主の不動産会社がとりあえず見込みで決めたもの

 分譲マンションを買った人=区分所有者が毎月払う管理費と修繕積立金。その額はどのようにして決まったのでしょうか。

 多くの人は「もともとそう決まっているんだから、それでいいんじゃない」といった感じで、金額の根拠や妥当性についてほとんど気にしていません。

 そもそも管理費は、マンションで日常的にどのような管理業務を行うのかを決め、それにかかるコストを計算し、各住戸の広さに応じて割り振ります(※)。

 修繕積立金は向こう30年程度で想定される修繕工事を洗い出し、いまの時点で妥当と思われる工事のやり方と単価にもとづいて合計額を算出し、それを各住戸の広さに応じて割り振ります)。

 こうした日常の管理業務や向こう30年程度で想定される修繕工事の費用について、分譲当初に売主の不動産会社が管理会社と相談しながら見積りし、管理費や修繕積立金の金額を決定しているのです。

 ※管理費及び修繕積立金の額については、管理規約において「共用部分の共有持分」に応じて算出するのが一般的です。そして、「共用部分の共有持分」とは、各住戸の専有部分の床面積の割合によります。ただし、タワーマンションなど階数による眺望や日照により住戸の価値に大きな差がある場合、「共用部分の共有持分」をそうした価値の違いにもとづく価値割合に連動させることも考えられます。