新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、社会にさまざまな影響が出ているが、感染防止のための「3密回避」や「巣ごもり」などによって、マンションの管理組合にも思わぬ影響が及んでいる。今回は、コロナショックによって生じたマンション内の諸問題や、コロナ問題の終息後、いわゆる「ポスト・コロナ時代」のマンション管理の在り方について考える。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)
「3密」を回避するために
通常総会は延期可能か?
2020年4月7日に発令された緊急事態宣言により、社会のさまざまな動きが変化を余儀なくされたが、マンション管理も例外ではない。外出の自粛や「密閉・密集・密接」のいわゆる「3密」の回避によって、管理業務が停滞してしまったマンションが少なくないのだ。その影響は、管理組合と管理業務を委託しているマンション管理会社の双方に及んでいる。
まず、大きな影響の一つといえるのが、「3密」を回避するために、理事会や説明会、そして総会などの開催を見合わせている管理組合が多数出ていることだ。
それらの集まりを開催する立場の理事らにとって気がかりなのが、「規定の集会や会合を開かないことが問題にならないか」という点である。特に、5~6月はマンションの通常総会が集中する時期でもあり、「3密」を避けるべき状況の中で、例年通りに通常総会を開催すべきなのか、あるいは開催を延期したらどんな問題が生じるのかなど不安の声が多い。