【その1】働きすぎてしまう部下に
上司がやるべき2つのこと

 在宅勤務のメリットとして、「通勤がないこと」を挙げる人は多い。しかし、その分仕事をしてしまい、結果的に労働時間が長くなるという話をよく聞く。

 また、在宅勤務中は、ほとんどの時間をパソコンの前で過ごすことになる。メリハリがつけにくく、きちんとした休憩もとらず、明確な終わり時間も設定しないまま、つい長時間働いてしまいやすくなる。

 子どもがいる家庭では、しばしば仕事の手を止めざるを得ないといったこともあり、これらがすべて労働時間の増加という結果につながっている。

 管理職もこうした状況に対して対策を打とうとするのだが、うまくいかないケースも多い。本来、課題解決は「状況の把握-原因の究明-対策の立案と実行」という手順で進めるのだが、テレワークでは最初の「状況の把握」が難しいからだ。

 そこで、管理職は「見張り」に向かいたくなる。頻繁に状況報告を求めたり、システムのログを分析したりする。しかし、これは逆効果だ。部下は「見張られている」と感じると上司を信頼しなくなる。

 では、どうすればよいか。やるべきことは2つある。1つは、部下が相談しやすい環境を作ることだ。労働時間も含めた働き方について、部下が困っていることを吸い上げる。ここで、ポイントになるのが「共感的に聞く」ということ。「そうか。それは大変だね」というように、じっくりと悩みを聞く。アドバイスは後回しにして、聞きに徹することで状況を把握する。そうすれば、おのずと対策は見えてくる。

 もう1つは、「自分が部下の仕事を作っていないか」という観点で業務を見直すことだ。即レスを求めすぎていないか、さほど精度が必要のない仕事にまで細かく口出しをしていないか、電話で話せば5分で終わるような話を延々とメッセージでラリーしていないか、特定の部下に仕事を振りすぎていないか……。こういったことの見直しも、部下の労働時間削減につながる。