そんなふたりの出会いは職場。

 アヤノさんが25歳のときに転職して入ったコールセンターの先輩が、7つ年上のアキラさんだった。

「とにかく見た目が好きで。どうにかして接点を作ろうと最初は必死でした」とアヤノさん。アキラさんも「かわいい子に好意を寄せられて悪い気はしなかったし、当時は来るもの拒まず、という感じだったので……」。

 付き合い始めた当初、結婚などは考えていなかった。しかし、一緒にいる時間が増えるにつれて、互いにその時間が心地良いことに気が付き始める。

「彼女は料理もうまくて頭もいいし、すごくまともな感性を持っていて、結婚するならこういう子だな、と思いました」

 アキラさんは30歳という年齢からも、そろそろ結婚はしたいな、と考えていた。それまでは付き合うまではいかない関係の女性が複数いたが、真剣に交際した人はいなかった。それがアヤノさんと出会ったことで変わったのだ。

 結婚してからもずっと仲が良い。新型コロナの影響で夫婦そろって在宅ワークになったが、「一緒にいる時間が増えた」「四六時中ふたりでいられる」と喜んだほど。

「2人とも、人が嫌だろうな、と思うことをしないタイプ。相手が喜ぶことをひたすらやり続けていたら、どんどん仲良くなっていきました」とアヤノさんは話すが、相手が喜ぶことを常に心がけるということは並大抵のことではない。

子どもを持たないことは
最初から選択していた

 そんなふたりは結婚した当初から、子どもを持たないと決めていた。

 その大きな理由は、「夫婦の時間」をできるだけ多くとりたいから、だった。

「子どもを持つことのポジティブな点と、子どもを持たないことのポジティブな点、それぞれいろいろあると思う。人によって、どちらがよりポジティブなのかは違います。僕らの場合は子どもを持たないほうがポジティブだったから、そうしただけ」