年々、その数が増加し、社会問題と化しているセックスレス。だがその一方で、少し見方を変えれば、セックスレスは“夫婦の成長への予兆”と捉えることができるという。セックスレスがもたらす“成長”とはどういうことなのか、『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』著者のおおたとしまさ氏に聞いた。(取材・文/清談社 真島加代)
“セックスは激しいもの”という
大きな勘違い
一般社団法人日本家族計画協会が全国の16~49歳の男女3000人を対象に調査した「第8回男女の生活と意識に関する調査」によると、婚姻関係にある男女がセックスレスと回答した数は、過去最高の47.2%に上った。
ちなみに、同協会では1ヵ月以上性的接触がなく、長期化が予測される状態を「セックスレス」と定めている。この定義を聞いて「うちもセックスレスかも?」と思った人もいるかもしれない。何ゆえ、これほどまでにセックスレス夫婦が増えてしまったのだろうか?
「セックスレスが増えた背景には“共働きの増加”や、“娯楽が多い”など、さまざまな理由が存在しています。そのひとつとして私が考えているのが、セックスという行為への間違った認識です」
そう語るのは、育児・教育ジャーナリストで『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』(イースト・プレス)の著者、おおたとしまさ氏だ。
前出のアンケート調査では、セックスに積極的になれない理由に対して「仕事で疲れている」と答えた男性が35.2%と過去最多。おおた氏は“疲れている”ことを第一の理由に挙げている点に、セックスに対するある固定観念が隠れていると指摘する。