米国の新規失業保険申請件数は8週間連続で減少したが、なお新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前を10倍も上回る水準にとどまっている。米労働省が発表した先週の新規申請件数は約210万件(季節調整済み)と、前週の240万件から減少。5月16日に終了した週の失業保険受給者の総数は2110万人となり、その前週から390万人減った。今年2月以降、受給者数が減少したのはこれが初めて。ただ、それでも昨年までの過去最高を大きく上回る水準に高止まりしている。これまでの最高は前回のリセッション(景気後退)終盤だった2009年の650万人だった。レイオフの実態を測る目安となる週間失業保険申請は3月中旬以降、200万件を上回る水準が続き、1960年代後半に統計が始まって以来の記録的高さにある。新規失業保険申請件数は3月28日終了週に690万件のピークをつけた。