オーストラリアの28年に及ぶ景気拡大は、1990年代のアジア太平洋地域の経済危機、2000年代の世界的な経済危機、2010年代の主要コモディティー(国際商品)業界の好不況を乗り越えてきた。だが、20年1-3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となり、リセッション(景気後退)が差し迫っている。壊滅的な山火事と新型コロナウイルス対策の各種規制が大きな打撃となった。1-3月期のGDPは前期比で0.3%減少し、2011年以来の前期比マイナスに転じた。エコノミストらは、当局がコロナ対策を強化し、商業活動の大部分が制限され、旅行業界が崩壊状態となった4-6月期は、GDPがさらに大きく落ち込むと予想している。