ドナルド・トランプ米大統領はホワイトハウスのローズガーデンで行った演説で、「法と秩序を守る米国民のための大統領」としての務めを果たすと約束し、近くにある古い教会の外で写真撮影に応じた。その時、周辺のデモ隊はすでに警察が排除していた。ジョー・バイデン氏はその翌日、フィラデルフィアの市庁舎で演説を行い、全米各地の抗議行動は「ウェイクアップコール(警鐘)だ」と指摘。構造的な人種差別と彼がみなす状態の解消に取り組み、差別を助長する警察の行動を終わらせると約束した。2020年の大統領選挙でライバルとして戦うこの2人が示した異なるメッセージは、黒人のジョージ・フロイドさんが先月ミネアポリスで警官に押さえ付けられて死亡した事件を受け全米で抗議行動が広がっている中で、米国の有権者の支持を得るために対照的な手法を採っていることを印象付ける。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるロックダウン(都市封鎖)が何カ月も続いた後、この2人が国民の前に姿を見せ、メッセージを発信する機会が増えてきている。