半導体はハイテク業界の神髄であり、米国の科学発明の象徴だ。それでありながら、半導体メーカーは米中競争の渦の中に巻き込まれた。米中はどちらも、この未来の業界を支配することを望み、相手を排除しようとしている。皮肉なことに、そうした分断への衝動こそ、両国の野心にとって最大の脅威になるかもしれない。中国にとっては、華為技術(ファーウェイ)が陥った状況が自国のぜい弱性を浮き彫りにする中、国内の半導体業界を育てるという長期目標は緊急性を帯びている。ボストン・コンサルティング・グループによると、中国工場が外国企業向けに生産する分を除けば、世界の半導体需要の4分の1近くは中国企業が占める。だが中国国内の半導体業界の比率は、そのうちわずか14%にすぎない。