米国で人種差別や警察による暴力行為への抗議活動が続く中、ボランティアの医療従事者らが現場でケガをしたデモ参加者の手当てに当たっている。だが新型コロナ禍では、催涙ガスを受けた参加者の目の洗浄や警棒によるケガの処置など通常の手当てを複雑なものにしている。全米各地でデモ隊の治療に関わる医療従事者らは、混乱の中での感染対策はいつも以上に慎重を要し、もっと医療防具が必要だと話す。また公衆衛生当局者や医師らは多くの人が集まって騒ぐだけでなく、催涙ガスによってせき込むなど、現場ではウイルス感染が拡大する条件がそろっていると警告している。デモ参加者の治療に当たるノア・モリス氏は、「このような状況では通常、マスクを着用しているが、今はマスク着用の手順をしっかりと守ること、また手を清潔に保つことを強調しなければならない」と指摘。手を複数回洗うことや、可能であればガスマスクやN95防護マスクの着用を促していると述べた。