民主主義的価値観に対する中国の脅威は太平洋周辺域以外にも広く及んでおり、米国はこれに抵抗するため世界中で同盟国を必要としている。これは、ドナルド・トランプ米大統領が決めたドイツ駐留米軍の削減が米国の利益を損なう多くの理由の1つだ。今回の削減について公式の発表や説明はまだない。しかしウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5日、ドイツ駐留米軍3万4500人のうち9500人を9月までに撤退させるようトランプ氏が命じたと伝えた。ドイツ駐留部隊は欧州における米軍の中核を成しており、その規模は5万人を超えることもある。そこに2万5000人の上限が恣意(しい)的に設けられる。削減対象となる兵員の一部は欧州の他地域へ配置替えになるかもしれないが、何十年もかけて構築されたインフラは移動させることはできない。
【社説】ドイツ駐留米軍削減、中露を利するだけ
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