新型コロナウイルスの感染者が大量発生した、クルーズ船のダイヤモンド・プリンセスとコスタ・アトランチカ。その両船の除菌、消毒を行った唯一の企業であるユニゾンは、20代の若者たった2名だけの小さな会社だ。日本のコロナ感染を象徴する2つの案件を、なぜ名もなき会社が引き受けることになったのか。そして、過酷な現場では何が起きていたのか。大竹亮輔社長に話を聞いた。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 松本裕樹)
幼なじみで起業した
特殊清掃会社
新型コロナウイルスのクラスターが発生したダイヤモンド・プリンセスとコスタ・アトランチカという2つのクルーズ客船で、当社は新型コロナの除菌、消毒作業を行いました。
手前みそですが、両船の除菌、消毒活動を行ったのは当社だけとなります。
当社は、遺品整理や特殊清掃などを行っている会社です。
特殊清掃とは、孤独死、事故死、自殺、ゴミ屋敷など、通常の清掃ではない清掃業務です。薬剤を使用して徹底的に消臭、除菌、害虫駆除などを行っています。
社歴はわずか1年弱に過ぎません。社員は私と副社長の溝口航平の2人だけ。2人は地元の幼なじみでともに24歳です。
このような小さな会社がなぜ新型コロナの象徴ともいえる2つのクルーズ客船の除菌、消毒を行うに至ったのかを、まずお話ししたいと思います。